雫
映画型物語至上主義「サウンドノベル」の流れを汲む作品
色褪せた毎日をどろどろとした妄想とともに過ごす主人公
退屈な日々は一人の女生徒の発狂によって崩れ始める
学校という閉鎖された空間の中で起こる異常な世界
そして主人公は狂気の扉に手をかける
このゲームは後に同社から発売される「痕」に隠れてしまいがちだが
ゲームシステム以外の部分では「痕」よりも出来がいいと個人的に思う
基本的に1プレイを約2時間に押さえその中で
不満のある主人公>導入事件>人物登場>事件に巻き込まれる>
>引き返せない出来事>決心>最後の事件>エピローグ
と非常に映画的オーソドックスな展開を見せる
ストーリーも大槻ケンヂの「新興宗教オモイデ教」をベースにしながら
主人公の妄想や狂気を巧く表現している
MIDIによる音楽も素晴らしくサウンドノベルの決定版と言っていいだろう
安易につけたハッピーエンドに嬉しくもあり悲しくもありと言う感じだ
このころは1本だったが後々「痕」で全てのエピソードがこの
一回クリアするとハッピーエンドへの選択肢が増えるという
システムになってしまったのが少し悲しく感じる
ちなみにリーフサウンドノベル「雫」「痕」はともに
ソフトハウス「リーフ」より98版、Win95版が出ており
恐らく18禁ゲームコーナーで販売されているだろう
パッケージはそういうカットばかりだが
内容は非常にストイックに物語を語る質の良いゲームである
とにかくこれは買って損はなし。借りてでもやれ
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