花園


マルチストーリー、時間概念的実験作


龍の花園と言うゲームを知っている人は恐らくいないだろう
これは5年ほど前にMSXと言うマシン専用に出た
「青井泰研」という人物の作ったアドベンチャーゲームである


主人公の青年、隆一ははっきりとしない記憶の中
ふらりと生まれ故郷に帰ってくる
そして幼なじみの京華との再会
彼女の屋敷に泊まった主人公の前に現れる謎の生物
翌日彼女は「龍の花園へ」というメモを残して彼の前から姿を消す
そして隆一は彼女の学校へと手がかりを探しに行く

ストーリーの合間に見える町の伝承や主人公の過去
龍の一族についての話などとても良く練り込まれている
また、設定を匂わすものの直接語ることのない姿勢など
話の組立て方に非常に好感が持てる
謎の残し方と言うのが巧くプレイヤーを引き込むストーリーの組立方や
その手法など学ぶべきところの非常に多い作品である

何より特筆すべきはあまりに高い自由度とあまりにシビアーな時間への概念だ
プレイヤーは何度かクリアしていく内に誰が何時何処にいるのかを知る
実質謎を知っていないと見れないストーリーが存在する
が、それらは購入時から見ることができるものであり
最近の「選択肢が増える」と言うのとは一線を画している

だがこのせいで最初数回のプレイを非常に取っつきにくくしているのも確かだ
リメイクするという話をずいぶん昔に聞いたがもし本当ならば
後々人が帰ってくる教室では机の上に鞄があるとか
アイテムの存在を示唆している人物が「示唆している」のだということを
もう少しわかりやすくした方がいいとおもう



余談だが、現在このゲームはコミケットなどで「MOソフト」という
青井泰研(現在は青井大地なのだそうだ)率いるサークルによって販売されている
サークル売りになってから非常に安価なのでMSXユーザー(TURBO−R推奨)は
押入から引っぱり出してでもプレイすることをおすすめする

もし購入したならばとにかく根気強くプレイすること



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MOソフトHPへリンク最近見つけたっす
龍の花園やMOソフトについてもっと詳しく

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