作業中
970528 Project ATARIYASIRO
取りあえずどんなに不味くっても作り直すくらいなら次に反映する事に決めた
未だ拙い僕の技術と語彙を赦して下さい
で、数日たって見直した
ああ、なんて恥ずかしい
取りあえず場面が上手く表現できていないのと
何より独りよがりな感じがするぞ
まあ、気を付けような、これからはまだやんのか?
10本も書けばきっと良くなるさ、全てを賭けてるものなんだから
追加で友人曰く、出だしの引きこみがない、とのこと
ハンカチの失恋
風が駆け抜ける
「でさぁー・・せんせーってばまるでねぇ・・・」
○青い空、遠くに校舎を見て足下は芝生
○一人の少女が髪を押さえながら遠くを見つめている
風が気持ちいい・・・
「だってさぁ、ひどいよねちゃんと勉強してるってのに・・・聞いてるぅ?」
「聞いてるわ」
「でね、だから言ってやったの、私・・・私はね、里美と同じ学校へ行くんですって」
「・・・・」
「無理・・かな?」
「なら頑張って勉強しなくっちゃね、もうすぐなんだし」
ざわざわと音を立てて風がレンゲの花の芝生を走る
風の形がはっきりと見えるくらいに強く草が凪ぐ
横では由宇が寝そべってぼんやりと空を見上げている
その瞳は遠くを見つめているからか何か物憂げな不思議なものを感じさせていた
不意に目が合う
私は目をそらすとごろんと横になった
○芝生に横になって空を見上げる少女二人
「来年の今頃、何してるだろうね」
「どうかしらね」
「海行って山行って・・・あぁ早く行きたいなぁ」
「そうね・・・」
「そしたらあの遊園地へ行こうね、ほら初めて出掛けた」
「ええ・・・そうね・・・」
「もうあれから一年になるのねぇ」
○青い空
一年・・・か
空はどこまでも蒼く、風が止めばじりじりと暑い日差しが私に注がれる
長いようで、あっという間の
ずーっと続くと思っていた毎日が積み重なった一年
○回想:夕日の噴水前
○煽りで入ってくる里美
引っ越してきたその日、私は散歩をしながら近所を徘徊していた
ぼんやりと明日のことを考えながら、公園の噴水に腰を下ろす
初夏というよりは梅雨の合間の事だった
暫くして周りを歩く人がこちらを遠巻きに見ながら迂回しているのに気がつく
何かおかしな所があるかしら?と身を確かめ、そして辺りを見回した
○泣く由宇
隣の女の人が泣いていた
彼女は顔をぐしゃぐしゃにして嗚咽をこらえて泣いていた
席を立って逃げるのも気が引けた
ほんの、引っ越し直後のわびしさがさせた気紛れだった
・・・と今は思う
○ハンカチを差し出す里美
「はい」
しばしの沈黙
○泣き顔の由宇
「ふぐぅ・・・あ・・ありがと」
彼女はそのハンカチを受け取るとくしゃくしゃの顔で私を見る
あぁ、とんでもないところに居合わせちゃったな・・・
そう思っていた
○座る由宇、立つ里美
彼女はぱたぱたと水道場にいくと、ハンカチを濡らし来ては目を押さえていた
そうしながら何度も何度も、ありがとね、ありがとねとくり返していた
「じゃぁ、そのハンカチはあげますから」
私はそそくさとそこを離れようと立ち上がった
彼女は相変わらずそこで目を押さえていた
○教室
次の日、私が転校先のクラスにいくと真っ先に話しかけてきた女の子がいた
「同じクラスだったんだ、由宇、御沢由宇って云うの、よろしくね」
「あの・・・誰かと勘違いしてるんじゃ・・・」
「はい、ちゃんと洗って返したからね」
○渡されるハンカチ
彼女は昨日会った彼女とは違い、とても明るい女の子だった
○青い空
それから彼女とは何をするのも一緒だった
友達は何人かできたけど、彼女ほどにいつも一緒という訳ではなかった
すぐやってきた夏休みに一緒に遊びに行ったこと、宿題やったり、夜までお話ししたりで楽しかった
美人でみんなに人気があって、それでいてどこか抜けていて、憎めない
私がなりたかった女の子、由宇はそんな子だった
○空が光で白くなっていく
○かざす右手
相変わらずじりじりと照らす
いつからか由宇は起きあがり私をのぞき込んでいた
○かざした手をなめてのぞき込む由宇
「はいっ」
○被さるピンぼけしたピンクのチェック模様
「眩しかったんでしょ」
「ええ・・・」
「えへへ」
「私・・・引っ越すのよ、また」
気持ちのいい風が吹きすうっと涼しくなる
「同じ学校には・・・行けないわ」
「・・どうして・・・」
「親の都合よ、そうやって何度も転校して・・」
「そっちじゃない、どうして今まで教えてくんなかったのよっ」
どうして・・・どうしてだろう
○ピンぼけチェックに由宇のシルエット
「それは・・・んぐっ」
唇に柔らかい感触
あ、いい匂い
ふんわりといい匂いがする
ぽたり、と何かがハンカチに滴を落とした
○泣き顔を伏せて走る由宇なめて起きあがる里美、手にはチェックのハンカチ
そのまま、夏休みだけがやって来た
その後一度だけ、由宇にあった
○噴水公園:月明かりに照らされる由宇
彼女は月明かりに照らされて消えそうに思えた
そこには去年の、あの由宇がいた
彼女は私を見ると逃げるように走り去っていった・・・
○チェックのハンカチを握る手
拝啓、里美様
いかがお過ごしでしょうか・・・
○背景の手紙にフェードイン
あれから私はあなたと目指した高校へと入学し、三年間をすごしました。
あなたと一緒に高校生活を送れなかったのはとても残念でしたが、私にとって有意義な三年間でした。
そして今日、卒業式を迎えました。
あの日、あなたにお別れの挨拶もせずに見送ったことを今でも思い出します。
あの日からあなた宛てに何通もの手紙を綴りましたが、出す勇気がありませんでした。
もし私をゆるして下さるなら、あなたに会いに行きたいです
そしてあなたに謝ろうと思います。
私の方から絶交して置いて虫のいい話ですね、
会いたくない、と思われても仕方ありませんよね。
返事がなければあきらめます
これからもお体にお気をつけて下さい。
あなたの友人 御沢由宇
○ハンカチを握る手にフェードイン、涙
○ハンカチにはyouと書かれている
○立ち上がる里美、ゴミ箱の前に立つ
○超煽りでハンカチなめて里美
○捨てられるハンカチ
「・・・バカだなぁ・・・私って」
終わり
あ、ちなみに「なめて」ってカメラの手前に置いて向こうを見る事ね
さあ、診断だ
セリフでやっちゃいけないもの
過剰 :文で書くべき事、ドラマにならないこと
説明 :状況説明
禅問答:答えを引き出すためのセリフのかけ合い
無性格:誰が喋ったか分からないような台詞
感情 :感情をそのまま喋っている
分裂 :1セリフに複数テーマ、間接詞の多様
独白 :独り言
ストーリー構成でやってはいけないもの
未常識 :みんな知ってると思いこむ
絵解き後説:説明シーンを単体で存在させる
不明瞭 :テーマ、人物、セリフ、シーンが描けてない
段取り芝居:感情のないつじつま合わせの進行
待たせ :待ち時間、テーマのないドラマ
ぶつ切れ :事件どうしに心理的繋がりがない
乱用 :技巧の乱用、セリフや効果やモノローグなど
未統一 :1ストーリーに複数ジャンル
議論対立 :感情や心理的ではない、葛藤のない対立
実際どうだろう?
今の自分じゃ分かりにくいので次のシナリオ作りながら
暫くして見直してみようと思う
いや〜三日であげるつもりがきっかり一週間かかっちまったい
ま、この作品のテーマはねぇとか云うことは簡単だけど
牧野曰くそれってかっこわるいそうだし
僕も梶島正樹とか格好悪いと思うのでやめとく
んじゃまたね!
次のお題は「マッチ」らしいぞ
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