工程 |
写真 |
説明 |
1芯材 |

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発泡スチロールを電熱線カッターで切り出します。 下絵より2回り小さくします。 今回は3面図を描いてみました。
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2下地 |
 
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芯材の上に紙粘土をかぶせます。 下絵より一回り小さくなります。 表面の彫刻が無いので、大きめに作れます。 カッターで調整して、木工用ボンドで穴埋めします。
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3ふち作り |

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下絵を板に固定してラップをかけます。 その上に1500円を使って下地を固定して、外周に沿ってポリパテを盛ります。
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4ふち作り |
 
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板から外します。 溶剤でトナーが溶けてラップに転写されています。 1500円はテープで下地とラップに固定しました。 下地と板の間にはさむ物には、入手しやすい硬貨が適しています。
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5パテ盛り |
 
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表面はふちを補強するように、裏面は下地を隠すようにポリパテで包みます。 裏面は砥石をかけて、下絵をマジック転写済みです。 ここまでの作業は、慣れたので非常に順調でした。 曲面を作る今後の作業には、ずっと手間がかかります。
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6パテ盛り |
 
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ふちを削り、表面を盛り上げていきます。 曲面を作るために、必要な量を少しずつ盛りつけます。
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7パテ盛り |

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角をノミで落として、表面を盛り上げていきます。
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8パテ盛り |

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形になってきたので、砥石をかけて十字線を描きこみます。
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9曲面づくり |

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ふちを整えながら、ノミで曲面をつくります。 歪んだ円柱が、今回の基本のようです。 削っていない部分は、盛り上げが足りないところです。
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10曲面づくり |

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足りない部分にパテを盛り、ノミと砥石でイメージに近づけていきます。 いろいろな方向から眺めて、滑らかな凸面にします。
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11凹面づくり |

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表面に加工する3つの凹面は、パテのふちを少しずつ予定の位置に近づけます。 今回のくぼみは深いので、すべて埋めてから彫ると大変です。
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12表面仕上げ |

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表面の凹凸や気泡、ノミ跡を消すために、パテを盛り磨きました。 ポリパテの硬化剤を多めにして、柔らかい状態で盛りつけます。
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13凹面加工 |
 
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目と口の凹面をノミと彫刻刀でつくります。 ポリパテの層が十分に厚いので、下地が露出することはありません。 目は楕円定規、口は下絵を切り抜いて下書きしています。
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14凹面ふち加工 |

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ふちが欠けているのでポリパテを少し塗って修正します。 砥石をかけて彫刻刀で削ります。 穴の部分はヤスリがけできないので、丁寧に削ります。
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15表面修正 |

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口の下の曲面をパテで修正しました。 左右対称にするための微調整です。
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16凹面ふち加工 |
 
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修正した部分のふちを整えます。 ポリパテの作業は終了なので、800番の砥石をかけました。
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17穴埋め |

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ラッカーパテを筆で溶きながら塗ります。 ポリパテの気泡が表面に出て、穴になっているので埋めます。
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18ペーパーがけ |
  
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1000番の耐水ペーパーで表面を研磨します。 なめらかな曲面になるように磨きます。 拡大した表面の小さな点が、ポリパテの気泡です。 ラッカーパテの大きな磨き残しは、盛り直したときの段差や、切り出し刀の削り跡です。
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19表面仕上げ |
  
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もう一度ラッカーパテを塗って研磨しました。 とりあえず視認できる穴は埋めました。 次はサーフェイサーを吹くので、中性洗剤で全体を洗浄して削りかすを除去します。
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20サフ失敗 |

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洗浄したら穴が目立ったので、サーフェイサーを多めに吹き付けて埋めようとしたら失敗しました。 あまりに多く吹きすぎたので、溶剤で拭き取りました。
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21表面仕上げ |
  
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サーフェイサーを吹いて、ラッカーパテで目立つ穴をふさいで、耐水ペーパーで磨きました。 まだ序の口なので、耐水ペーパーは1000番を使います。 くぼんでいる部分を、新たにヤスリの破片で削り、彫刻刀の跡を目立たなくしました。 ヤスリの破片は、ヤスリセットの使わない物を破壊して入手します。
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22サフがけ |
  
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サーフェイサーを吹いた状態です。 焦点が合いにくくて写真はボケていますが、よく見ると表面に穴があります。 これをひたすら減らしていく作業を繰り返します。
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23ペーパーがけ |
  
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ラッカーパテで穴を埋めて、耐水ペーパーで磨きました。 ラッカーパテはサーフェイサーより堅いので、ペーパーがけをすると埋めた部分の周りが削れてしまいます。 そろそろ平らに仕上げたいので、まず1000番の耐水ペーパーで埋めた部分を集中して削ります。 続けて1500番で表面の凸凹をならします。
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24表面仕上げ |
  
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サーフェイサーを吹いて、ラッカーパテで目立つ穴をふさいで、耐水ペーパーで磨きました。 平らになってきたのか、ポリパテの色が目立たなくなってきました。 2000番の耐水ペーパーを使っているので、表面の光沢が今までとは違います。 くぼみには、使い古しの耐水ペーパーを小さく切って、指で押しつけて作業をすすめます。
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25完成 |
  

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サーフェイサーを吹いて、耐水ペーパーで磨きました。 だいたい平らになり、穴も目立たなくなったので完成です。 くぼみの仕上がりには不満がありますが、現時点でこれ以上の加工をするのは不可能です。 製品は黒く塗装される部分なので、今回は問題ありません。
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26土台 |

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プレス型に転写するために原型を底上げします。 土台は1cm厚の発泡スチロールです。 原型を鉛筆で縁取りして、周囲に5mmの余白を付け足します。 スチロールカッターで切り出した状態です。
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27土台加工 |
  
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セロハンテープで原型を固定して、スチロールカッターでふちをななめに加工します。 原型のふちを完全にプレスで表現するには、このように底上げするのが手軽です。 最終的に土台は木工用ボンドで、ふちの部分だけを原型に固定します。 型どりの際に原型と土台の間にコピックが侵入しなければよいので、土台は外しやすくしておきます。 石膏に転写されるまで素材は常に湿っているので、ボンドで障害が起きることは無いはずです。
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お面の大きさは目の幅を基準にして決まります。成人の場合、黒目の間隔は、およそ5.5センチです。マンガやアニメのキャラクターは、顔の輪郭の内側に目・鼻・口を描きこみます。また表情を伝える目は、きわめて大きく描かれます。したがって、覗き穴が開けられるべき黒目の幅を5.5センチほどにすると、顔がとても小さくなります。
カオナシの面というか顔は、劇中ではとても大きいものです。縦だけで千の2倍以上はあります。コスプレでは大きなお面を作る場合が多いようです。今回のお面の大きさは目の幅が5.5センチほどになるようにしました。できるだけ大きく作っても、覗き穴が開けられないですし、原寸に近づけることもできません。むしろ、カオナシのお面を頭につけたときに、口が下からのぞくと劇のイメージに近いかもしれません。
小型のお面ならば、1枚のプラ板で2枚プレスできたり、塗料を節約することもできます。また、お面は実際にかぶると、とても息苦しいので、壁に掛けたり頭にのせたりするのが現実的な使い方です。能面の小面は、一例として縦21センチ横13.5センチ厚さ7センチらしいので、2枚プレス大のお面がとても小さい、ということでもなさそうです。
単純なので時間をかけずに完成するかと思いましたが、結局5ヶ月以上も費やしました。急がなくて済んだ分、ポリパテ原型の製作工程を工夫することが出来ました。芯材の形状、硬貨を使った底作り、切り出しナイフの使用、くぼみの加工など、基本的な製作手順はほとんど完成したと言えます。基本形状が作れるようになったので、次は応用です。定番キャラクターの製作を考えています。